働く場所

経験者談|PTとして老健で経験できて病院で経験できないことって何?

理学療法士の働く場所って限られているとはいえ、意外に多いのが事実。

なんとなく「こんなところがあるよなぁ」っていうのがあっても、実際に働いてみないとわからないことが多いですよね。

例えば、「回復期」での経験はあるけど「訪問リハビリ」での経験がない。

だから、「訪問リハビリって、だいたいこんな感じかなぁ」しかわかりません!みたいな。

働く場所を決める時にもっと情報があれば良くないですか?

事前にいろいろ知れるのなら、知りたいですよね!

そんな知りたいって願いを叶えるため、経験者の方にお願いして、教えてもらいました!

今回は30代の男性理学療法士の方に、「老健で働くメリット(魅力)、デメリット(大変さ)」を聞いてきました!

老健で働くメリット(魅力)、デメリット(大変さ)は何?

私が老健で4年間働いた経験から、老健で働くことの魅力は2つあります。

1つ目は自宅での生活を見ていくため、理学療法士としての考えが深くなることです。

私は初めて就職したのが老健でした。正直、教科書の知識として在宅復帰へ向けた「中間施設」と言う認識程度しか持っていなくて、老健がどういう場所なのか解っていない状態で仕事を始めることになりました。

当時の私は自宅で生活を続けていく事を、深く考えることが出来ていませんでした。今となればわかることですが、「介護保険分野はもっと広い視野で関わっていかなければならない」と実感しました。

自宅に帰った後も利用者さんの生活は続いていくので、退所後に使う介護サービスや自宅環境の整理、介助者となる家族などのマンパワーの確認等、それらの持てる知識を振り絞って生活を支える手助けをしなければなりません。

そのような考えが少なく、機能改善で終わらせようとしていたため、私はベテラン看護師さんに「私がやった方がうまくやれそう。」と言われたこともありました。

例えば、利用者さんが自宅に帰るにあたり、家族が望むレベルとのすり合わせが必要になります。

もちろん利用者さんがどの程度動けるか、機能面ではどの程度まで改善出来るか、と言う事をしっかり把握することが必要になります。

本人さん、ご家族の希望で多いのは「トイレが一人で出来れば家に連れて帰りたい」と言うことです。

トイレが一人で出来ると言っても居室からトイレまで歩く、ドアの開閉、着衣操作、トイレ動作と、冷静に考えると多くのステップをふまなければなりません。

結構なハードルの高さです。

「ちょっと難しいかも…」となる事も多いので、介護用品の利用やご家族への介助指導も在宅生活を続けるには重要です。

「手を変え品を変え、家で暮らせる方法を探す事」「使えるものは全て使う」と言うことを老健では学びました。

私が担当していた脳出血の方が居ました。その方も「トイレが一人で出来れば自宅に帰りたい。」と言う事でリハビリが始まりました。

入所当時は坐位保持は何とか可能でしたが麻痺側の支持が非常に悪く、起き上がり、立ち上がり、立位保持、歩行も介助が必要な状態です。

リハビリを行い起居動作は自立し、立位保持も可能になりました。自宅に帰る目処がついてきたため、ご家族が面会に来る時間にリハビリを行い介助方法などを伝え、家族の不安も少なくするように心がけました。

そうすると「このくらいになれば連れて帰れそう。」と家族の方も思っていただけたため自宅の準備や自宅環境に合わせたリハビリを行うため家屋調査に行きました。

段差も無くバリアフリー化された立派な家でした。何か言いたかったのですが完璧だったので私は全く役にたちませんでした。

自宅ではトイレまでの距離も5メートルほどでした。歩行は触っている程度で可能になりましたが筋緊張の異常があり、転倒の危険があったため短下肢装具の作成と、四点杖のレンタルをお願いし、ご家族と一緒に歩く練習も行うようにしていました。

ケアマネさんと相談し、移動に不安な時もあるためポータブルトイレの準備をしてもらい、退所後のサービス調整をしていきました。

そして何度か外泊を行っていただき無事、家に帰ることができました。

また、老健の理学療法士と言うものは、今まで書いてきたリハビリの事だけやっていれば良い訳ではありません。リハビリとは関係ない多くの仕事があります。

老健で働く魅力の2つ目は、「イベントを通じて利用者さんの笑顔が見られる」ということです。

老健で働いているとお花見、ドライブ、誕生会など月々のイベントがあります。その時の出し物を各部所で持ち回りで行います。

そうすると年に数回何かしらやらなければなりません。演劇や歌やダンス等、本当に色々やりました。

準備など、少し残業することもありましたが、当日の利用者さんの笑顔を見ると、それままでの苦労が全て吹き飛んでしまいました。

こうしたイベントなどの行事を経験できることは、病院で働く理学療法士にはあまり無い経験だと思うので、老健の魅力の1つと感じました。

ただ、老健で働く大変さも、もちろんあります。

私が感じた老健で働く大変さは2つあります。

1つ目は、リハビリ業務だけに集中することが難しいことです。

先ほど、イベントなどで利用者さんの笑顔が見られる事が魅力とお伝えしましたが、このイベントは理学療法士として、リハビリ業務に集中したい人にはデメリットになると言えます。

それに、リハビリの仕事とは全く関係ない事をしていくので、イベントなど、そういう事が苦手な人には本当に辛い事だと思います。

老健で働くもう1つの大変さは「人前に出なければならない」ということです。

老健では、イベントなどの行事は必須なので、人前に出るのが苦手な人にはむいていないかもしれません。

当時私は理学療法士をしながらバンド活動を行っていたため、人前に出るのはあまり苦ではなく、「自分たちのライブでこんなにお客さん居たらなぁ」と楽しみながら参加していました。

でも、人前が苦手な人には耐えられませんよね。

だから、イベントは人によっては、デメリットにもなると思います。

私が老健で働いてきた経験からリハビリだけに集中して仕事をすることは難しく、イベントの企画や参加などリハビリ以外の業務も多いです。

でも、老健で働いていると利用者さんの多くの笑顔が見ることが出来るし、その笑顔で私たちも救われている気持ちがします。

リハビリだけに留まらず、利用者さんの生活に、より深く関わって支えていきたい人には老健で働くことをオススメします。

まとめ

お話をまとめると、

まとめ

  • 老健の魅力は2つ!自宅での生活を見ていくため、理学療法士としての考えが深くなること、イベントを通じて利用者さんの笑顔が見られること!
  • 老健の大変なところは2つ!リハビリ業務だけに集中することが難しいこと、人前に出なければならないこと!
  • リハビリだけに留まらず、利用者さんの生活に、より深く関わって支えていきたい人に老健はオススメ!

老健では自宅復帰が目標になるので、より利用者さんの生活に深く関わることができそうですね!

理学療法士として、病院勤務では経験できないことが経験できると言えるでしょう!

イベントの企画とか、大変そうですけど、その分やりがいもありそうですね!

具体例もあって、老健っていうのがどんなところなのか、かなりイメージできたんじゃないでしょうか!

経験者の方に教えてもらえることって、なかなか無いので、ぜひ参考してください!

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