働く場所

経験者談|整形外科クリニックは幅広い年齢層をたくさん診れる!

理学療法士の働く場所って限られているとはいえ、意外に多いのが事実。

なんとなく「こんなところがあるよなぁ」っていうのがあっても、実際に働いてみないとわからないことが多いですよね。

例えば、「回復期」での経験はあるけど「訪問リハビリ」での経験がない。

だから、「訪問リハビリって、だいたいこんな感じかなぁ」しかわかりません!みたいな。

働く場所を決める時にもっと情報があれば良くないですか?

事前にいろいろ知れるのなら、知りたいですよね!

そんな知りたいって願いを叶えるため、経験者の方にお願いして、教えてもらいました!

今回は20代の女性理学療法士の方に、「整形外科クリニックで働くメリット(魅力)、デメリット(大変さ)」を聞いてきました!

整形外科クリニックで働くメリット(魅力)、デメリット(大変さ)は何?

理学療法士の就職先は大きく分けて、病院・介護施設・通所リハビリテーション・訪問リハビリテーション・クリニックなどがあると思います。

そんな中でも整形外科クリニックに対するイメージってみなさんどうでしょうか。

私の就職前の整形外科クリニックに対するイメージは

  • 運動器疾患しか診ないから他の疾患の経験が積めないのが怖い
  • 帰りが遅い
  • 激務
  • スポーツ疾患を診ることが出来る

でした。

整形外科クリニックに勤めたいけど、私と同じ様なイメージで就職を悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

しかし、結果として私は整形外科クリニックに新卒から6年間勤務しました。

就職前のイメージの通りだった部分、違った部分、両方ありましたが総じてとても良い経験ができたと感じています。

その経験から整形外科クリニックのメリットとデメリットを紹介します。

まずメリットは

  • 1日の患者数が多いため短期的にたくさんの経験を積むことができる
  • スポーツ疾患に出会える
  • 短時間で結果を出すためのスキルが身につく

1日の患者数が多いため短期的にたくさんの経験を積むことができる

整形外科クリニックでは、患者さん1人に対して1単位での治療が基本です。

つまり、1日最大で24人診ることができます。出会える症例数がかなり多いのです。

みなさん学生時代を思い出してください。

触診の授業で「ペアを変えてたくさんの人を触りましょう」と言われた経験がありませんか?

それは個人差に影響されずに触診を行い、治療を行えるようにするためです。

「〇〇さんでは触れたのに△△さんではどこにあるかわからない」

そう感じた経験がある人も少なくないのではないでしょうか。

その「たくさんの人を触りましょう」が整形外科クリニックでは経験できます。

また、整形外科クリニックは患者さんの年齢層も幅広いです。

私の勤めていた病院では、午前中は高齢者やまだ月齢の低い子供のいるお母さんが多く来院し、夕方以降はサラリーマンや学生が多くなります。

来院する年齢層が幅広い事で、バラエティに富んだケースを診ることができます。

例えば患者さんの「膝が痛い」という訴え一つとっても、年齢層が様々なのでゴール設定も全然違います。

スポーツ復帰したい10代の学生さん、子供を抱いた状態で階段昇降をしたいお母さん、仕事で革靴を長時間履けるようになりたいサラリーマン、正座をしたい高齢者など、バラエティに富んだケースに出会えるからこそ、経験を積むごとに応用が効くようになります。

最初は大変ですが、毎日たくさん人と出会い学べる環境のため、短期的にたくさんの経験を積むことができます。

スポーツ疾患に出会える

これは整形外科クリニックを目指す人の多くが期待しているところではないでしょうか。

結論から言うとスポーツ疾患には出会えます。

しかし、皆さんが想像する学生スポーツ疾患はそこまで多く無いです。

1日1人の理学療法士に対して1〜2人くらいです。スポーツに強い整形外科クリニック等であればもう少し多いのかもしれませんが、通常の整形外科クリニックではこれくらいです。

その代わりに「整形外科クリニックで勤務している」という実績を持つことによって地域のスポーツチームに関わりやすくなります。

私自身、地域のミニバスケットボールチームの練習や高校ラグビー部の合宿に参加させてもらった経験があります。

学生スポーツへ関わる時は、1対多数の指導になることが多いため指導方法や声かけの仕方など病院とは違った工夫をする必要があります。

また、病院で行うような怪我のリハビリだけではなく、スポーツの特性を深く理解しパフォーマンス向上のための指導や、怪我の予防など幅広いサポートを求められます。

しかしながら、実際のところ整形外科クリニックのスポーツ疾患で多いのは高齢者のスポーツ疾患です。

健康ブームからスポーツをしている高齢者が増えています。

特に卓球・パークゴルフ・太極拳・草野球・テニス・マラソンなどによる疾患が多いです。

私の場合は太極拳を行なっている患者さんが多かったため、太極拳の動画をかなり見ました。もちろん自分でも実際動画を見ながらやってみました。

そのスポーツを知らないと治療戦略も立てづらいのです。

学生スポーツと比べて、運動量は少なく求められるレベルもそこまで高くありませんが、知らないスポーツのルールや特性を覚えながら治療を考えるのも意外と楽しいですよ。

短時間で結果を出すためのスキルが身につく

整形外科クリニックは結果を感じること・信頼関係を築くことができなければ患者さんはすぐに別の病院に離れていってしまいます。

そのため、初診から20分で評価・治療を行なって結果を出す必要があります。

お恥ずかしいのですが、私の新人時代の話です。

想定した評価項目に全て問題がなく、しかし残り時間10分。

何か治療をしなくては!と何も判別できていないのに患部をモミモミしていた経験があります。(あの時の患者さんごめんなさい)

でも実際そうなのです。20分しか時間がないため評価できていなくても治療を始めなくてはならないのです。

20分の中で評価や治療を行うことは入職当初とても難しく、時間配分や評価項目選びに苦労しました。

しかしながら1日24人の治療を経験しているとだんだんコツを掴めるようになり、瞬時に判断ができるようになります。

これは整形外科クリニックでしか経験できない大きなメリットの一つです。

次にデメリットについて紹介しましょう。

デメリットは

  • 運動器疾患以外の疾患を経験する機会が少ない
  • 1人にかける時間が少ない
  • 休みが少なく夜は遅い

運動器疾患以外の疾患を経験する機会が少ない

良くも悪くも運動器疾患の患者さんしか来ません。

既往歴でパーキンソン病や脳血管障害がある人も来院しますが、主訴は運動器疾患です。

そのため、総合病院で学べるような様々な疾患は診ることができません。

私は実習も整形外科クリニックのみでしたので、脳血管障害のリハビリを行なったことがありません。そのため、既往歴に脳血管障害がある患者さんがいらっしゃると今でも緊張してしまいます。

逆に言えば運動器疾患にとても詳しくなれるので、今後運動器疾患に絞って活動したい人にはとても勉強になる環境です。

1人にかける時間が少ない

先ほども話したように1人の治療時間は20分しかありません。正直に言うと全然足りません。

もっとやりたいこともありますし、患者さんとゆっくり話したいです。

しかもお昼休み以外に、特に決まった休憩時間もありません。

入職当初はトイレに行くタイミングや水を飲むタイミングが掴めず、脱水症にもなりました。

それでも慣れて来るとその短い時間で必要なこと・不要なことを判別する能力や、雑務をこなすタイミングなど時間の使い方が上手になります。

慣れるまで患者さんの数をコントロールしてくれる職場もあるので、心配な人はどれくらいのペースで患者さんが増えるのか入職前に確認しても良いかもしれません。

休みが少なく夜は遅い

サラリーマンや部活のある学生のためにも、土曜日は出勤、夜は19時までなど他の病院と比べると少し帰るのが遅くなります。

土日の連休は難しいですが、お盆や年末年始などの大型連休や祝日は休みになり、自分で予約のコントロールが行えるため、有給休暇が取りやすい職場が多いです。

そして夜が遅い分、昼休みは2時間くらいあるのでお昼寝をする人や、一度家に帰る人もいます。

私は月1回有給を使って遊びに行っていましたし、家庭のある人は昼休みに自宅に戻って家事を行っていました。

確かに夜は遅く、土日の連休はありませんが、自由度が高かったのでとても働きやすかったです。

つまり、整形外科クリニックは

  • 幅広い年齢層をたくさん診て経験を積みたい人
  • 運動器疾患に特化した知識を身に付けたい人
  • スピード感溢れる環境が好きな人

にとても適している職場です。

逆に

  • 1人にゆっくり時間をかけて治療したい人
  • 運動器以外にも様々な症例を診たい人

はあまり向いていないかなと思います。

私も最初は一番初めに挙げたような、就職前のイメージから不安もありましたが、学生時代から運動器に特化したPTになるのが目標だったので結果良かったかなと思っています。

実際にスポーツ疾患にも関われましたし、激務というよりスピード感があると言った方が今ではしっくりきます。

通常の病院とは違ったイメージがあると思いますが、患者さんとのコミュニケーションも取りやすく、毎日たくさんの人に出会って色々なお話をするのがとても楽しい職場でした。

まとめ

お話をまとめると、

まとめ

  • 急性期病院のメリットは、1日の患者数が多いため短期的にたくさんの経験を積むことができる、スポーツ疾患に出会える、短時間で結果を出すためのスキルが身につくの3つ!
  • 急性期病院のデメリットは、運動器疾患以外の疾患を経験する機会が少ない、1人にかける時間が少ない 、休みが少なく夜は遅いの3つ!
  • 急性期病院は、幅広い年齢層をたくさん診て経験を積みたい人 、運動器疾患に特化した知識を身に付けたい人 、スピード感溢れる環境が好きな人にオススメ!

クリニックでは1日に診ることができる患者さんが多いので、多くの疾患を経験できそうですね!

それに、整形外科クリニックならスポーツ疾患にも出会えるので、スポーツ分野に興味があるなら挑戦する価値は大いにありそうですね!

短時間で結果を出さないといけない難しさはありますが、理学療法士としてのスキルは高められる環境なのではないでしょうか。

具体例もあって、整形外科クリニックっていうのがどんなところなのか、かなりイメージできたんじゃないでしょうか!

経験者の方に教えてもらえることって、なかなか無いので、ぜひ参考してください!

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