働く場所

経験者談|回復期は経験の浅いセラピスト向け!その理由3つとは?

理学療法士の働く場所って限られているとはいえ、意外に多いのが事実。

なんとなく「こんなところがあるよなぁ」っていうのがあっても、実際に働いてみないとわからないことが多いですよね。

例えば、「回復期」での経験はあるけど「訪問リハビリ」での経験がない。

だから、「訪問リハビリって、だいたいこんな感じかなぁ」しかわかりません!みたいな。

働く場所を決める時にもっと情報があれば良くないですか?

事前にいろいろ知れるのなら、知りたいですよね!

そんな知りたいって願いを叶えるため、経験者の方にお願いして、教えてもらいました!

今回は30代の男性理学療法士の方に、「回復期病棟で働くメリット(魅力)、デメリット(大変さ)」を聞いてきました!

回復期病棟で働くメリット(魅力)、デメリット(大変さ)は何?

私は新卒で理学療法士になり9年経ちました。その中での回復期病棟で働いた6年間はセラピストとして成長することができた6年でした。

私の持論ですが、回復期病院は比較的経験が浅いセラピストに向いています。

その理由は以下の3つがあるからです。

  • 回復期病院は私たち理学療法士が関わる基本的な疾患(脳卒中や骨折)の患者さんが多いため、学生時代の臨床実習で学習した知識や経験が活きやすいこと。
  • 回復期病院で経験したことは転職後も大いに役立つこと。
  • 勉強できる環境が比較的整っている病院が多いこと。

まず①の『回復期病院は私たち理学療法士が関わる基本的な疾患(脳卒中や骨折)の患者さんが多いため、学生時代の臨床実習で学習した知識や経験が活きやすい』ですが

臨床実習ではまだ学生で知識も経験もないことから、比較的オーソドックスな疾患である脳卒中や大腿骨頸部骨折を経験させてもらう事が多いです。

回復期病院でも実習で経験したことのある疾患の人が入院してくることが多いです。

もちろん、脳卒中や整形外科疾患の他にも神経難病の人や小児疾患がある人、脊髄損傷の人も入院してくるため、幅広い疾患を経験することも可能です。

私は回復期病院から訪問リハビリに転職したのですが、訪問リハビリで担当になるほとんどは回復期病院で経験した事のある脳卒中や大腿骨頸部骨折、パーキンソン病の患者さんが主でした。

時折、脊髄小脳萎縮症や多系統萎縮症、小児麻痺など回復期病院では経験しなかった疾患も担当しています。

これは②の『回復期病院で経験したことは転職後も大いに役立つ』にも関わるのですが、今まで経験がない初めての疾患であっても、考え方のベースは回復期病院で行っていたリハビリと大きな変わりがないからです。

起居動作や立ち上がり・歩行などの基本動作は回復期病院でも訪問リハビリでもとても重要な活動です。

特に回復期病院では理学療法士のほとんどが全ての患者さんに対して行うと言っても過言ではありません。

介助が必要な患者さんを自立して立ち上がりや歩行を獲得できるよう行ってきたプログラムや考え方はそのまま訪問リハビリでも通用します。

むしろ、その努力をしていない人は理学療法士としてどうかとも思います。

もちろん、基本動作が全てでは無いですが多くの場面で私たち理学療法士に求められている事だと思います。

回復期病院では約数ヶ月間に渡り、同じ患者さんを毎日リハビリできるため経過が追いやすく自分のリハビリのフィードバックも得やすいです。

リハビリにより変わったところと変わらなかったところを吟味し、次回のリハビリに活かす。難しいですが必ず自分の力になります。

この試行と考察のクセを付けることができれば、理学療法士として1人前と言えるでしょう。

最後に③の『勉強できる環境が比較的整っている』ですが、回復期病院は新卒の入職率が高いため新人教育も充実しています。

私が働いていた病院では育成マニュアルがあり、リハビリプログラムから事務作業まで段階を追って学習していけますし、入職した1年間は教育係が付き相談にも乗ってくれます。

私の職場では担当+フォロー制でしたので自分の担当を12~15単位程度、残りの4~8単位程度は休みのスタッフの患者さんをまわっていました。

そのため、自分が休みの時は必ず他のセラピストが介入してくれています。休み明けにはリハビリ記録を確認し、プログラムの参考にしたり直接相談に行ったりしていました。

回復期のリハビリスタッフは若い人が多いため、職場の雰囲気は良く相談などもしやすかったです。

『この患者さんの立ち上がりが上手くできなくて』や『どうすれば楽に介助できるようになりますか』など、最終的には『何が問題かも分かりません(笑)』なんて質問が飛び交うこともしばしばあります。

学会発表にも力を入れている病院が多く、もし自分が学会発表をすることになってもリハビリ部全体からアドバイスや資料をもらうことが出来るのは非常に大きなメリットと言えます。

回復期病院のセラピストは年齢層が若いため勉強の意欲が高いスタッフが多いです。そんな意識高い系の環境に身を置くと自然と私も勉強会に行くようになっていました。

勉強したことを実際に職場で行い、『なんか歩くのが軽くなりました!』や『昨日できなかったのに今日はできる!』と患者さんに言ってもらった時には嬉しくて心の中でガッツポーズをしていました(笑)。

すると周りのスタッフから相談を受けるようになり、モチベーションも持続しやすかったです。

いろいろな勉強会の情報が得られやすいのも良かったです。日本理学療法士協会や各都道府県の理学療法士会の勉強会はホームページを見れば確認・応募できます。

しかし、勉強会はそれだけではなくナイトセミナーもあります。

ナイトセミナーは主に参加者への手技の浸透や技術の研鑽はもちろんのこと、講師となるスタッフ側の育成のため各病院(施設)単位で行われているセミナーが多いです。

そんなナイトセミナーは理学療法士協会のホームページに記載されることは無く、人脈で広がっていくパターンが多いです。

回復期病院ならナイセミナーの情報も入ってきやすく、もちろん参加もできるため、更なる自己研鑽に望めます。

しかし、勉強会の情報はリハビリ部全体に行き渡りやすいため休日の取り合いになることもしばしばあります。回復期病院は365日稼働なためシフト制となります。もちろん土曜・日曜や祝日も変わらずリハビリがあります。

私の職場では休みの日を指定できるのは月に3日までというルールがありました。それに1日に休めるスタッフの人数も決まっているため、人気のある勉強会は参加出来ないこともありました。

また、子どもが出来ると保育園の休みや行事の際には休みの日を指定する必要があるためさらに勉強会への参加頻度は少なくなってしまいます。

1ヶ月のうち休日を3日しか指定出来ないとなると子育ての親にとっても手痛いデメリットと言えるでしょう。

それに、病院勤務だと全スタッフが受けなければならない講習が年に数回あります。医療安全や感染対策など回数は少ないですが業務後に1時間程度あります。

病院内に各専門のチーム(脳卒中・整形・呼吸・装具etc)や係(感染・医療安全・防災etc)があり、各々月に数回活動があったり、休日に勉強会へ参加しなくてはいけない等の時間の縛りがありました。

回数的には少ないですが興味が無くても参加しなければならないものも多く、その時は結構な苦痛でした。

また、私の職場ではリハビリ部内の報告会のような会が月に1度、30分程度ありました。

副医院長のお言葉から始まり、先月の実績報告、各チームからの報告があり、医院長からのありがたいお言葉で終わる。

時間的には短いですが体感時間はもの凄く長く感じる、疲れた体に追い討ちをかける地獄のような会議でした。

回復期病院は休みの取り方や雑務の量では大変さがあると思いますが、自己研鑽という意味ではとても有意義な時間を過ごせます。

実際私は、訪問リハビリでもある程度の立場に付かせてもらいましたが、それは回復期病院での実績が評価されてのことでした。

回復期病院では臨床実習で学習した知識や経験が活きやすく、その経験は転職後にも役立ち、その上で勉強できる環境が整っているので、新卒者やまだ経験が浅いセラピストに向いていると思います。

まとめ

お話をまとめると、

まとめ

  • 回復期は基本的な疾患が多く、その経験は転職後にも役立つ!その上、勉強できる環境が整っているので、経験の浅いセラピスト向き!
  • 回復期は希望する日に休みが取りにくく、子育て世代には向いていないかも!

回復期病棟は、理学療法士の基礎を作ることができる場所なのかもしれません。

だから、新卒者だけでなく、なかなか治療や考え方に自信が持てない人は、1度経験されても良いかもしれませんね!

回復期病棟っていうのがどんなところなのか、かなりイメージできたんじゃないでしょうか!

経験者の方に教えてもらえることって、なかなか無いので、ぜひ参考してください!

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