理学療法士として働き始めて2~3年目は、一番大変な時期かもしれません。
リハビリの現場では、職場の主力として多くの患者さんを任されます。
担当する患者さんが多いと、書類の作成や会議への出席など、治療時間以外の仕事も多くなります。
加えて、新卒3年目以内であっても、新人の指導を任され始めます。
症例検討会や、補装具・環境調整の会議、英語論文の抄読会など、職員の研鑽に力を入れている職場では、それぞれの勉強会への参加も求められます。
自分の生活を振り返る時間もない中で、周りの理学療法士達が自分よりも立派に見えて落ち込み、職場を変えたいということはありませんか?
自分に自信がないから、不安だから、そんな理由で仕事を辞めてもいいのか、こう考えるあなたはとても真面目な方なんでしょう。
ずばり、転職したいと思ったら転職してもいいんです!
職場も、患者さんも大事だけど、一番大事なのはあなた自身です。
でも、いきなり退職届を出すのはちょっと待ってください!
少し冷静に自分の悩みや状況と向き合い、対応の仕方を考えていきましょう。
この記事では、新卒3年目以内のあなたに、仕事が大変で転職したいと思ったときのアドバイスと、転職への考え方を書いています。
この記事を読んで、不安な気持ちを冷静に整理し、転職という手段をもっとポジティブに考えていただけたらと思います!
悩みを「自分で解決できそうな問題」と「自分ではどうにもできない問題」に分けてみる
毎日忙しくて帰る時間も遅く、正体が分からない不安に押しつぶされそうになることもありますよね。
毎日不安を感じている時は、少し冷静になって、自分が感じている不安がどんなことかを細かく分けることから始めてみましょう。
そして、抱えている問題が、自分でも対処できることなのか、または自分ではどうにもならない問題なのかをはっきりさせましょう。
自分で解決できそうな問題は大きく2つ!
自分で解決できそうな問題としては、自分の仕事に対する考え方や仕事の進め方があります。
医学やリハビリテーションについての知識が少ないことが不安
医学やリハビリテーションについての知識は、とにかく基本を大事にしてください。
患者さんの疾患が分かったら、教科書を何度も読んでほしいと思います。
高血圧、糖尿病など、何度も関わる疾患についても、基本を押さえることを意識してください。
経験年数が2年目、3年目ともなると、「そのくらいのことは分かっている」と思うことが増えます。
私も、経験年数3年目くらいのころが一番基本をおろそかにしていました。
でも、基本が分かっていないと結局どこかで調べないといけないし、知識があやふやなままで主治医と話をしてもどこかで分かっていないのが伝わってしまいます。
疾患についての知識がもっとしっかりしていれば、患者さんのリハビリのスピードも上がったかもしれないと思う苦い思い出がいくつもあります。
結局、基本をしっかり押さえておくのが患者さんの対応が一番早いですし、医師や他部署と関わるときにもいい関わり方ができます。
知識は必ずついていきます。
自分の自信をつけるためにも、教科書を読む時間は積極的に取ってほしいと思います!
書類作成などに時間がかかることが苦痛
現場では、患者さんの治療時間以外にも、各種の書類の作成、後輩の指導、関係部署への電話対応など、様々な作業があります。
医療現場では、専門知識についての議論は活発なのに、「時間の使い方」や「仕事術」のような話は全然しませんよね。
特に経験年数が浅い時は、仕事の仕方についての指導はあまりされないように思います。
「仕事の効率的なやり方なんかより、患者さんのための知識をつけよう!」という雰囲気ではないですか?
仕事が早い先輩よりも、医療の技術が高い人がすごい、みたいな。
でも、仕事を効率的に進められる方が、患者さんの対応の時間を増やせるに決まっています。
理学療法士も、ビジネスマン的な、「効率のいい仕事の仕方」をもっと身に着けるべきです!
私も、働き始めて数年後にビジネス誌を読むようになってから、ようやく仕事のやり方を見直すようになりました。
すると、帰宅時間が明らかに早くなり、何だか早く帰ることにそわそわした覚えがあります。
仕事を早く、効率的に進める方法論として、よく言われているのがスケジュール管理の方法です。
- to doリストを作る(かかる時間も分かるようにしておく)
- 課題を始める日にちを決める
- 絶対にやらないといけない課題には、最初から時間を作る
朝いきなり臨床に周り始めずに、自分の一日のスケジュールを確認してから臨床に入ると気持ちの余裕が全然違います。
毎月決まった書類の作成なども、自分なりに効率よく作成する方法を心掛けるといいですね!
「時間の使い方」で検索すると、いろいろなアイデアを探すことができます。
少しでも余裕のある働き方ができるようになるといいですね!
自分で解決できない問題は、大きく3つ!
自分で解決できない問題としては、主に職場の体制があります。
職場に信頼できる人がいない
悩んだ時に相談できる、信頼できる同僚や上司はいますか?
もしいなければ、同じ学校の友人に相談するのもいいし、外部の勉強会で職場以外の理学療法士とのつながりを持つというのもいいですね。
今の時代はSNSでつながるという手段もあります。
自分の職場に信頼できる人がいないというのは、自分の力ではどうにもなりませんから、外部を頼ってみましょう。
ただし、SNSで理学療法士を名乗って発信するときは十分に注意すること、また理学療法士を名乗っている人の情報を十分に検討することなどの注意喚起がありました。
SNSではなかなか人となりが判断できにくい点もあり、交流には注意が必要です。
結局のところ、職場の人間関係は自分でどうにもできないことですので、職場を変えるのが手っ取り早いかもしれません。
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給料が安い
一生懸命働いているのに、給料が安いような気がする、そう感じることがあると思います。
給料について気になるのであれば、同じ地域、同じ規模の病院や施設の給料を検索してみましょう。
求人サイトを使えば、ある程度の給料は分かります。
新卒で入職するときは、施設に対しての条件として給料についてはあまり条件を出さない人も多いと思います。
新人ですから、給料よりも、その施設でいかに自分が成長できるかを求めるのも不思議ではないですよね。
しばらく働いてみて、今の給料と働き方に納得がいかない場合は、転職を考えるのもいいと思います!
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サービス残業が多い
担当する患者さんの人数がとても多く、書類の作成などはどうしても業務時間後にしないと回らない、そんなこともあると思います。
でも、サービス残業が多くないですか?
そもそも残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。
しかし医療職による残業は、例えば研修会の資料作りなどを自己研鑽とし、残業と認めない場合もあるかもしれません。
一度、自分の施設の残業の基準を確認するといいと思います。
コロナ禍でもありますし、ライフワークバランスの観点からも、できるだけ早く帰宅できることは重要です。
また、たくさん残業するのが正義、のような雰囲気を出している職場ではありませんか?
残業が正義のような感覚は、さすがに時代錯誤ですので、そんな職場からはできるだけ早く転職することも考えてください。
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転職する前に、譲れない条件を整理しよう
転職することは全然悪いことではありません。
いろいろな問題があって不安になることもあると思いますが、そもそもその施設があなたに会っていない可能性もあるのです(回復期、維持期なのか、病院なのか施設か、訪問か、クリニックか、など)。
でも、不安に駆られていきなり退職するのは少し無謀です。
悩みをなるべく細かく整理し、自分でできる問題なのか、そうではないのかを把握してみてください。
そうすれば適切な対処方法が分かります。
どうしても精神的なお休みが必要なら、職場に伝えて適切にお休みをしてください。
あなたの心と体が一番大切です。
自分の能力を上げることが必要なら、医学的な技術だけではなく、仕事を進める能力が上がる方法を考えてください。
職場の体制の不備など、自分ではどうにもならないことが問題なら、ぜひ転職を考えてください。
転職するときも、絶対に外せない条件と、譲ることができる条件をはっきりさせると、求人を探しやすいと思います。
あるいは、求人サイトを利用して、サイトの担当者の方と一緒に次の職場を探すというのも方法のひとつですね!
まとめ
この記事では、新卒3年目以内のあなたに、仕事に悩んで転職したいと思った時の対処法をまとめました。
まとめ
- 不安な気持ちの正体が何なのかを冷静に考えてみる
- 医学技術の向上、仕事の進め方の工夫については自分で工夫できることもある
- 職場の体制の不備は、自分で何ともならないので転職がおすすめ
私が理学療法士3年目のときに、精神的に不安になり、自己啓発本や仕事術の本を読みあさった時期がありました。
でも、あるときはっと気が付いたのです。
「何に悩んでいるかも考えないで、ただモヤモヤしているこの時間が一番無駄だ。自分でもできることがあるし、どうしようもないこともある!」
もしこの記事を読んでくれているあなたが、新卒3年目以内の理学療法士で悩んでいたら、同じことを伝えたいです。
精神的に落ち込んでいるときに自分と向き合うのはなかなか辛いのですが、できるだけ冷静に自分の状況を分析してみてください。
そして、だめだと思って転職することは誰にも恥ずかしいことではないです!
やれることはやってみて、できない、無理だと思ったら次に行く!
軽やかに動けるあなたに戻って、納得いく形で働き続けましょう!
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