理学療法士として仕事を始めて数年経つと「どこか別なところで働いてみたいなぁ」と思うことがありませんか?
私は2回の転職と異動で病院、老健、デイケア、デイサービスでの仕事を経験してきました。
特に医療保険分野から介護保険分野に職場を変える時は勇気が必要になるかと思います。
「今まで病院でしか働いたことないけど、老健でのリハビリってどんなことをするかわからなくて不安」と思うことがあるかもしれません。
そんな方の不安を少しでも軽く出来るように、老健ではどんなリハビリをするのか、病院とは何が違ってくるのかを紹介していきます。
病院と老健の違い
まず違うところを覚えておきましょう。
病院で患者さんに介入する場合は回復期病棟では毎日3単位、外来の場合は1~2単位が基本になることが多いと思います。
老健の場合は1回の介入が基本的に20分になります。
短期集中リハビリ加算と言うものを取っている人は週に3回以上の介入。取っていない人は週に2回以上の介入になります。
1回の介入で20分って、ちょっとキツイ感じがしますよね。でも思い返して見てください。病院で働いていても「この人に3単位入るの?」って思ってしまう患者さん居ますよね。
そう考えると以外と20分って何とかなる時間設定です。
しかも病院と違い、ある程度時間に余裕があります。
そのため「集中的に介入したい。」と言う人は時間をかけることも出来ます。
時間の調節などは個人の判断に委ねられる事が多いです。
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基本的なリハビリ内容は変えなくて大丈夫
まず、今までやってきたリハビリの内容を大きく変える必要はありません。そこは安心してください。
基本的に老健は在宅復帰を目指す施設になります。
なので機能的なリハビリの内容は、あまり病院と変わりありません。
どうしても今まで働いてきた環境によっては「こういう患者さんはこういうリハビリをしなくちゃいけない。」とか教育があり、「老健だからこんなリハビリをやるのは違うのかな?」と考えてしまうこともあるかもしれません。
「自分が今までやってきたこと」、「得意なこと」は老健だからと言う理由で変える必要はないです。
自分の財産なのでストロングポイントとして活かしていきましょう。
本気で機能改善目的で介入する場合は時間の都合、無駄なROMやリラクゼーションの類いはやらない方が良い場合があります。
ROMはともかく、リラクゼーションは「気持ちよさ」を感じさせてしまうのでセラピスト側が機能訓練をしたくても利用者さん的には「マッサージしてほしい。」となってしまう場合が出てきます。
私もそれで失敗したと思うことがあります。
「何か昨日から腰が痛いんですよね。」と訴えがあった利用者さんがいました。
私は腰痛に対するアプローチが苦手なので、とりあえずマッサージをしていたら、それ以降ずっと「マッサージが良いな。」となってしまい、上手くリハビリを行うことが出来なくなりました。
病院で学んできたこと、得意分野を行いながら、必要性が低いものは省いて行けば個別リハビリの方は問題ありません。
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リハビリ以外のスタッフに協力してもらう
病院でもチーム医療が絶対なので多職種との連携を行ってきたかと思います。
しかし、老健ではさらに連携が大切になります。
私が経験してきた職場の特色もあるかもしれませんが、基本的に老健では介護士さんや、看護師さんとの垣根が非常に低いです。
病院に勤めている際は、リハビリはリハビリ。ナースはナース。と、固まっていた印象が強いですが老健ではごちゃ混ぜになっているため、看護師さん、介護士さんの視線での考え方も覚えられます。
そして、看護師さん、介護士さんはとても協力的です。
私はバイタル面の不安定さで離床に問題のある利用者さんを起こす時、ほとんど看護師さんを呼んで一緒に起こしてもらっていました。
看護師さんも「もし、利用者さんがおかしな感じになったら私が叫んであげるから安心してね。」と協力してくれます。
老健によっては、医師がリハビリについてあまり知識がないことがあります。
その時は看護師さん、介護士さんの力を最大限活かしましょう。
1つだけ気を付けるのは専門用語です。
病院で働いていると、どうしてもリハスタッフ同士の会話が多くなるため、知らず知らずに専門用語で会話が成り立ちます。
しかし、老健では介護士さん、看護師さんとの会話が増えるため皆に伝わる言い方をしましょう。
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様々なイベントがある
少しリハビリの内容とは離れますが、老健で働くには避けて通れない事、それは「月々のイベント」です。
夏祭りやクリスマス会、花見にドライブなど、毎月イベントがあり、その際にダンスや歌や演劇など出し物を行うことになります。
この時だけはしっかり練習も行い、ネタを合わせて全力でやらなければなりません。
苦手な人も居るかと思いますが、自分も全力で楽しむようにしましょう。
私は節分の際に鬼になり、利用者さんが普段見せない笑顔を見せながら豆をぶつけてきたり、杖を持って追いかけられたりと、良くも悪くも良い思い出になっています。
まとめ
今回の記事をまとめると
まとめ
- 病院でのリハビリより介入時間が減るため時間の調整を上手く行いながら本当に必要なことをやっていきましょう。
- 基本的なリハビリ内容は変えないで得意なことを活かしていきましょう。
- 介護士、看護師さんと仲良くしましょう。
- イベントはやらなきゃいけないので全力で楽しみましょう。
初めて転職する時って不安でいっぱいですよね。
私は緊張しすぎて前の日一睡も出来ず、青ざめた顔で出勤してしまいました。
いくら準備しても緊張すると思いますが、少しでも勇気が出ればと思います。
老健で働くことで間違いなく視野が広がります。
老健で考えを学んで再度病院で働くことも楽しいですし、介護保険分野のスペシャリストを目指すのも良いでしょう。
私が老健で働いていて思ったのは、リハビリ職以外との関わりが本当に楽しいと言うことです。
多分、他のリハスタッフと飲みに行ったりするより介護士さんたちと飲んでいる方が多かったです。
医療保険、介護保険と分野が別れてしまっていますが、老健でリハビリ職として働くのも楽しいですよ!
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この記事のライターさん
30代男性理学療法士