転職ノウハウ

理学療法士の退職願の書き方|もしもリストラにあったらこうすべき!

2020年になったと同時に始まった新型コロナウイルスの影響で、医療・介護の世界も本当に大きな影響を受けていますね。

新型コロナウイルスの患者さんを直接担当している理学療法士の方もいらっしゃるし、勤め先でクラスターが起きて大変な思いをされた理学療法士もいると思います。

また、新型コロナウイルスは、医療・介護の経営状態にも大きな影響を及ぼしています。

全国1460の病院での医業収支について、2019年7月では38%が赤字でしたが、2020年7月では53.8%が赤字となっています。

病院の収入が減った要因として、新型コロナウイルスの患者を受け入れたことによる一般病床の縮小や手術件数の減少、外来患者の減少などが考えられます。

また、福祉医療機構が行った「新型コロナウイルス感染症の影響等調査」によると、特別養護老人ホームでは入所への影響は比較的小さいものでした。

しかし調査に回答した約450の施設併設の短期入所や通所においては、約半分の施設が2019年の4月~7月に比べて2020年の同月で減収していました。

もしあなたの職場の経営が苦しくなって、リストラに取り組むことになったら、あなたはどうしますか?

新型コロナウイルスの影響が出る前から赤字だった施設なら、これを機に赤字の部門をなくすということも考えられますよね。

私の職場だった病院の話ですが、私が所属していた訪問リハ部門はずっと赤字で、あるとき上司が「この訪問リハ事業所は〇月で閉鎖となります」と言ってきました。

実際にリストラの対象になるということがあったのです!

私の様に、あなたがリストラされそうになった時、何も考えずに職場の言いなりになってはいけません!

この記事では、新型コロナウイルスや、その他の様々な理由で職場の経営が傾き、リストラの対象になりそうな理学療法士がどんな対応をするべきかまとめました。

焦っていきなり退職願を出す前に、この記事を読んで退職に向けて作戦を練り、ピンチをチャンスに変えましょう!

退職願と退職届の違いは?

退職する準備として、まず「退職願」と「退職届」の違いについて確認しておきましょう。

退職願は、病院や施設と労働契約を結んでいる職員が、その契約を解除してもらうために申し出るときの書類です。

「お願い」なので、提出しただけでは退職とはならず、職場との合意をもって退職となります。また、合意前だったら退職を撤回することもできます。

一方、退職届は「この職場を辞めます」という意思を表示するもので、退職届を受理された時点で撤回することはできなくなります。

ちなみに、ドラマなどで「辞表を叩きつける!」のようなシーンを見ることがありますが、この「辞表」は役員や公務員が辞職の意思を示す書類です。

一般の会社員の立場で使う表現ではないので、理学療法士が退職する場合は退職願か退職届にしましょう。

リストラ時の退職願と退職届

職場の経営が傾いてきて、経営を立て直す必要が出てきたとします。

このようなとき、人員を削減するという意味でリストラという言葉がよく使われますが、リストラとは、経営を立て直すために行われること全般を指す言葉です。

実は人員削減以外にも、売り上げが悪い部署を縮小したり、売り上げのいい部署に資金を集めて強化するようなことも含まれます。

リストラの一環として、職場都合で人員を削減するときは、整理解雇ということになります。

では、自分がリストラの対象になる、つまり人員削減のため整理解雇の対象になるとき、退職願や退職届はどうするのでしょう。

もし、整理解雇により退職することになりそうなときは、職場の都合による退職になるので、退職願や退職届を書く必要はありません。

それでも職場から提出を求められたら、自分の退職が職場都合による退職なのかをしっかりと確かめ、退職願や退職届に「職場の都合による退職」とはっきり分かるように書いてください。

例えば「病院のスタッフ削減のために、令和〇年〇月より開始された希望退職の募集に応じたため」など具体的に書きましょう。

リストラになりそうなときにやるべきこと

自分の職場の経営が危ない感じがする、そういう雰囲気を感じたら、ピンチをチャンスに変えるために動き出しましょう!

職場の状況を確認する

「この職場の経営は危なそうだなぁ。」と感じたら、信頼できる上司や関係者にそれとなく現在の状況を聞いてみましょう。

「転職を考えています」とは言わずに、経営状況や、スタッフを整理する雰囲気を感じていて不安だという気持ちを伝えてみてください。

相談員に話を聞けば、利用者や患者が確実に減っているか分かるかもしれません。

また、ボーナスが出るタイミングなら、支給額が減っていたら経営が厳しい指標になります。

情報収取をして、職場に未来がないと感じたら、次の行動へ移りましょう!

それは転職と退職の準備です!

転職活動を始める

私が昔勤めていた訪問リハビリの事業所がいきなり閉鎖されると分かった時、すぐに転職活動を始めて、ありがたいことにすぐに次の職場を見つけることができました。

でも訪問リハビリから次の職場へ移る間に1か月程度の期間が開いてしまいました。

一時的に収入が途絶えるので、よく考えたら収入面ではうまい転職方法ではありませんでした。

【理学療法士の転職】失敗の原因と成功させるポイントを徹底解説!!

続きを見る

理学療法士の転職の流れ|失敗しない為に知るべき全手順とは?

続きを見る

転職活動の注意点

スムーズに次の職場に転職するためには、転職への一般的な流れや注意点がいくつかあります。

退職願と退職届を出すタイミング

退職願や退職届を出す前に、次の職場を決めましょう。

面接などを行い、内定を取れた上で現在の職場に退職の意思を伝えます。

民法では退職の14日前までに退職の意思表示をすればよいことになっていますが、就業規則や退職の前例を確認してみましょう。

理学療法士の転職タイミング|本当に今なのか転職適正期チェック!

続きを見る

職場都合の退職と自己都合退職ではココが違う!

希望の職場が見つからずに、内定をもらう前にリストラの対象になりそうなときは、職場の都合による退職になるようにしてください。

リストラの場合、退職願や退職届は必要ありませんが、職場から求められたら「職場の都合による退職」がはっきり分かるように書きます。

職場によっては、自己都合の退職と書くように勧められるかもしれません。

整理解雇となれば会社としてのイメージが悪くなりますし、場合によっては訴えられる可能性があります。

しかし、自己都合と職場都合の退職では、失業給付金をもらえるまでの期間に違いがあります。

自己都合退職では、失業保険の受給手続き日から7日間経過した翌日から数えて2ヵ月間は給付金を受け取ることができません。

次の転職先が決まっていないのに自己都合で退職したら、約2か月間給付金をもらえないということです。

職場の言いなりで安易に「一身上の都合により」と書かないでください!

もしも職場に「自己都合による退職としなければ退職願は受け取らない」と言われてしまったら、配達証明郵便で職場に郵送しましょう。

これで「受け取っていない」という言い逃れを防ぐことができます。

私が以前勤めていた訪問リハビリが閉鎖になると決まった時、私は何も考えずに自己都合退職にしました。

でも「職場の都合による退職」かどうかをはっきり確かめ、そのように退職の手続きをしていたら、すぐに失業給付金がもらえたかもしれません。

知識がなかったために、もったいないことをしました。

自己都合退職にするときは?

職場によっては、自己都合による退職にしてもらうために様々な交渉をしてくることがあります。

その提案が、退職金をアップさせるなど、あなたにとってメリットが上回る場合は、自己都合による退職にしてもいいでしょう。

退職金については職場の規約などを調べてみてください。

まとめ

この記事では、様々な理由で整理解雇の対象になりそうになった時にやるべきことをまとめました。

まとめ

  • 退職願は提出しただけでは退職とはならず、職場との合意をもって退職となる!退職届は受理された時点で撤回することはできない!
  • 内定を取ってから、退職願や退職届を出す
  • 次の職場が見つからないうちにリストラの対象になりそうになったら、退職願や退職届は「職場都合による退職」がはっきり分かるように書く
  • 職場の言いなりで「自己都合による退職」にしない
  • 退職金アップなど、メリットが上回るときだけ自己都合による退職とする

医療・介護の世界は本当に閉鎖的で、私が退職するときに退職についてのアドバイスをくれた人は周りに一人もいませんでした。

この記事を読んでくださっているあなたは、今まさに退職について悩んでいるけど、同じ職場に相談できる人がいないという状況かもしれません。

転職までの流れや、職場の言いなりにならないで自分の利益を守る方法があるということが分かっていただけたと思います。

そして、転職サイトや転職エージェントを利用するなど、どんどん行動していってください。

経営が不安定な職場にいつまでもしがみつくことなく、ピンチをチャンスに変えて、あなたの力をもっと発揮できる職場と出会えるといいですね!

【完全無料!】理学療法士のハローワーク活用術!転職活動の進め方は?

続きを見る

【理学療法士の転職】履歴書と職務経歴書、応募書類の実例を大公開!

続きを見る

理学療法士の就職先|今さら聞けない働く場所の特徴を総まとめ!

続きを見る

-転職ノウハウ
-書類

© 2023 理学療法士転職のススメ