みなさんは理学療法士の昇給額に注目したことがありますか?
新卒で入職したときは、『こんな患者さんを診たい!』『〇〇期で勉強したい!』などと、給与面や福利厚生を差し置いて、自分の目指すべきセラピスト像をイメージして就職先を決めた人も多いのでは?
希望に満ち溢れていた頃から数年…生活環境も変わり、結婚、子どもの誕生、マイホーム購入。
きれい事ばかりも言っておられず、改めて気になるのが収入面のこと。
今までは昇給額にあまり注目していなかったという人もいるでしょうが、昇給額が少ない場合は思い切って転職した方が、年収がアップする場合もあるんですよ。
今回は理学療法士の昇給額の平均や年収を上げるための方法をお伝えします。
理学療法士の昇給額の平均は?
理学療法士の昇給額は公務員かそうでないかで大きく差があります。
公務員の場合、初任給は低めですが、昇給額は6000~8000円と言われています。
年収でいうと毎年72000~96000円+α アップするなんてやる気出ちゃいますよね!!
対して、私のリサーチ結果では、公務員以外の公的病院やクリニック、介護系サービスの場合は0~5000円とかなり差がありました!
昇給額0円って!!!?
びっくりしました。勤続する意味…
よほど、元々基本給が高いのか、何か給与面以上のウリがあるんでしょうか。
その病院・施設の経営状況が心配になっちゃいます。
訪問リハビリなどで出来高制をとっているところは、インセンティブがあったりして、昇給額が少ないところもあるそうなんですが…
あまり昇給額が少ないと勤続するメリットがないので、スタッフの入れ替わりも多そうですよね。
昇給額の相場は2000~3000円くらいのところが多いですが、これは他の職種の平均昇給額と比較しても低い値となっています。
2020年6月に日本経済団体連合会が公表した中小企業の昇給額は総平均で4371円です。
参考
理学療法士の平均とは1000~2000円違いますが、年収にすると12000~24000円+α違いますもんね。
理学療法士は手に職があるので安定しているというイメージでしたが、他の職種と比較しても給与面が充実しているとはいえないようです。
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昇給によって年収はどのくらいアップする?
年収っていうのは、下の式のように単純に表すことができます。
年収
①年収=(②基本給+③手当)×12ヶ月+④ボーナス
それで、昇給っていうのは基本給が増えること、先程の式でいう②の部分が増えることです。
なので、②基本給が増えると、必然的に①年収が増えることになります。
年1回の昇給が待ち遠しいですね!
しかも、昇給の凄いところは、まだあるんです!
昇給の威力は、なんとボーナスにも影響するんです!
ボーナスは「基本給の〇か月分」と決まっているところが多いので、昇給額が多い方がボーナスも当然アップします。
先程の式を少し付け加えてみましょう。
ポイント
年収=(②基本給+③手当て)×12ヶ月+④ボーナス(②基本給×◯ヶ月)
注目して欲しいのは、④のボーナスのところ!
ボーナスの内訳は、実は②基本給×◯ヶ月なんです!
だから、昇給で②基本給が上がると、単純に年収が上がるだけじゃなく、④ボーナスまで上がります。
さらにさらに、基本給が上がると、基本給から算出されている残業代も上がります。
ちなみに、理学療法士が働いている病院・施設の多くが、年齢と勤続年数に応じて年1回昇給するっていう感じです。
基本給は低めでもボーナスが充実している病院・施設もありますが、ボーナスは病院の経営状況などで下がったりカットされたりすることもあるので、トータルが同じ年収なら基本給や昇給額が高い方を選ぶほうが正解です!
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理学療法士の昇給額は一般的には低い?
理学療法士を含む医療従事者は、診療報酬によって給与が左右されやすい職種です。
診療報酬とは医療保険から医療機関に支払われる治療費のことで、1点10円で、すべての医療行為に点数が決められています。
新卒のセラピストが患者さんのリハビリを行う場合も、経験年数20年のセラピストが患者さんにリハビリを行う場合も、診療報酬は一緒なので医療機関への収入は変わりません。
この辺りが、理学療法士の昇給が少ない要因でしょう。
同じ仕事量なら基本給の少ない新人を雇った方が、病院としては給与を多く支払わないで済みますからね。
悲しい…人を駒としか思ってない!!
現在は高齢化社会の到来で医療費が増え、国の財政をひっ迫しています。
そのため、国が診療報酬を下げることで、医療費を削減しようとしているんですね。
同じ疾患の患者さんに同じ診療をしても、年々診療報酬が下がっているので、医療機関の収入は下がる一方なんです。
単価が下がっても高齢者が増えて、患者数が増えれば医療機関は増収するのか…そういう場合もあり得るでしょうが、働くこちらの仕事量は確実に増えそうですよね。
なんかお先真っ暗な感じです。
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いやいやいや!!リハビリ楽しいですよね!!
楽しく働けて、患者さんが喜ぶ姿を見られて、それでお金をもらえるって最高じゃないですか??
高齢化社会にこそ、理学療法士は必要な仕事です!!
年収をアップさせるには?
はい、初心を取り戻したところで、年収をアップする方法を考えてみました。
役職に就く
基本給や昇給額をあげるのは諦めて、役職手当をもらいましょう。
現在は理学療法士の数も飽和状態ですので、勤続すれば誰でも役職に就けるとは限りません。
それなりに自己研鑽や普段の仕事に対する情熱が必要だと思います。
教職や研究職を目指す
臨床以外で理学療法士の資格を活かすなら、養成校や大学の先生になる方法があります。
知識の豊富さやカリスマ性、勉強熱心でなければならないし、コネも必要でしょう。
限られた人のみ挑戦できるのかもしれませんね。
起業する
一か八かですかね…理学療法士として開業はできませんが、やる気があれば起業はできます。
でも先立つ資金も必要ですし、必ず収益を上げられるとも限りません。
よほど強い意志や情熱、アイデア、経営の手腕がない限りは難しいですかね。
転職する
理学療法士の給与って地域によってもかなり差があるんですよ。
特に関東圏では、理学療法士の数が足りていないので、比較的基本給や昇給額が高い可能性があります。
給与が高い地域まで出稼ぎ…もしくは移住?
そこまでしなくても、患者層や疾患、病期などの条件は割り切って、給与面だけで就職先を選んでみるのも一つです。
背負うものがあると、自分の仕事に対するモチベーションは二の次になってしまいますよね。
でも欧米なんかでは、より待遇のいいところを見つけてどんどん転職していくのが一般的なんですよ。
日本では転職回数が多かったり勤続年数が短かったりすると、忍耐力がないと捉えられがちですけど、チャンスを掴む、成長するという意味では、転職は必ずしも悪いものとは言えないですよね。
現在の職場が可もなく不可もない場合でも、とりあえず求人情報をチェックしてみては?
給与面の充実とともに、あなたのスキルアップにつながるかもしれません。
まとめ
今回の記事をまとめると、
まとめ
- 理学療法士の昇給額の平均は公務員で6000~8000円、その他の医療機関、介護サービスなどでは0~5000円、だいたい2000~3000円のところが多い。
- 理学療法士の年収は『昇給額×12か月』で毎年上がるが、基本給から算出されるボーナスや残業代も同時にアップする。
- 理学療法士の給与は診療報酬に左右されやすいので、他の職種と比較しても昇給額が高いとは言えない。
- 理学療法士の年収をアップさせるには、『役職に就く』、『教職や研究職に就く』、『起業する』、『転職する』などが挙げられる。
医療介護業界はどこも厳しいかもしれませんが、一生の仕事として選んだ理学療法士という仕事です。
仕事内容の充実とともに収入面も充実していないと、末永く働きたいと思えなくなるのも事実。
あなたが、理学療法士としていつまでも働きたいと思えるような病院・施設に出会えることを願っています。
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